君がいればいつだって黄金期

アニヲタ一瞬で無所担になった

ありがとう、さよなら、浅倉吏玖くん

すうっと、自分が成仏していく音を聞く。

 

今まで抱えていたモヤモヤも悔しさも何もかも、なんだか消化された気がしてしまって。

 

 

 

 

自担が、SNSを、辞める。

 

 

 

 

思えば怒涛の4ヶ月だったな、なんて思う。

 

退所した哀しみに打ちひしがれてた1月。苦しくて悔しくて何も考えたくなかった。悔しかった全てがもう吏玖くんの成功譚というストーリーにならないんだってこと、直視できなくて。毎日のふとした自分の行動から自担が辞めたことを再確認する日々だった。ここまで生活に吏玖くんが根付いてる、なんて気づかなかった。なんかのミスじゃないか夢なんじゃないかって永遠に祈ってたな。

 

吏玖くんがインスタを始めた2月。色々思うところはあったけど、「ジャニーズは辞めたらインスタ開設」なんていう鉄板のセオリー通りに世界がまわっていくから、辞めたことを直視せざるを得なかったのが1番しんどかった。

 

ミスじゃない、もう永遠にジャニーズには戻らないってことを突きつけられたような気持ち。インスタライブでは、久しぶりに好きな人が見れた気持ちと、言語化できないモヤモヤがつのって悔しくてたまらなかった。吏玖くんのこと話題にも出さなかったような人が、私たちよりも吏玖くんの目に留まってるんだと思うとどうにかなりそうだった。

 

インスタライブで言っていた一言、「ほんまのファンの人たち」。ちゃんと区別して見てもらえてるという嬉しい気持ちと、浅倉担への手切れの言葉がこれなんだなぁっていう、虚しい気持ちが混ざり合って、何度もその言葉を反芻した。ああ、今わたしの浅倉担としての人生は終わったんだなって、そう実感したのを覚えている。

 

 

気づかない間に3月になって、とうとう自担はサプリのステマを投稿した。自担が堕ちたと、そう思わざるを得なかった。吏玖くんがジャニーズブランドを失ったことを、そこではじめてちゃんと認識した。心のどこかで、それでと自担は他の辞めジュとは違うんだって叫んでいたかったのに、結局行き着く先は同じだった。辞めて欲しくてはじめてDMを送ろうと思った。こんな現実が毎日のように見せつけられると考えただけで地獄だった。手首に黒ゴムがついてる投稿を見つけて、もう何を信じればいいのか分からなかった。

 

 

吏玖くんの誕生日から始まった四月。希望と夢に満ち溢れていた去年の今頃を思い出す。本当は本人のいない誕生日会をやりたかった。誕生祭のタグ芸だってやりたかったのに。いつかデビューしようね!ってメッセージと共に、新しい公式写真と一緒に、たくさん大騒ぎする予定だったのに。だいぶメンタルも落ち着いてきて、円盤を買うか死ぬほど迷ったり、自担をようやく応援する気になれたのに、何も彼に応援できる部分がなかった。

 

 

 

 

四月が終わる最後の日、自担は夢に向かってSNSを辞めると宣言した。3.6万人の、名だたる数多くの辞めジュよりも多いフォロワーを軽々と手放して。

 

 

 

 

 

ストーリーにあげられた言葉。ちょっとたどたどしくて、ラフな文と懸命な敬語が混ざり合う真っ直ぐな文には彼の精一杯の「丁寧」と「誠意」が込められていると思う。

 

自分と真っ直ぐに向き合って、全てを言葉にして伝えてくれた吏玖くん。インスタは気持ちのいい場所であっただろうに、「腐る」と自分を客観視して夢に向かって進んでいくと宣言した吏玖くんは、どんな盛れてる写真より何億倍も輝いていた。きっと、SNSを辞めることではなく、あの居れば軽々と肯定をもらえるような、居心地のいい場所を手放すことに意味があるんだと思う。

 

フォロー欄には謎の女の子や友達はいなくて、ただ唯一、自担が尊敬している人がいる。わたしは彼のことをそんなに知らないけれど、生き様が、真っ直ぐさが眩しくてたくさんのファンに愛された人だということだけは知っている。それを見るだけで、ああ自担はきっと本気なのだろうと思う。

 

 

 

3.6万人のフォロワーを得ることは、きっとそこまで難しいことではないのかもしれない。簡単にできることではなくても、それくらいのフォロワー数を持っている人はいるから。でも、ひとたび夢に向かうと決めた瞬間にそれを捨てると決められる人がどれだけいるだろうか?

 

「死守せよ、だが軽やかに手放せ」なんていう言葉がある。

米津玄師も『停滞は衰退とほぼ同じこと。なんとなくこのままでもいいとぼんやりしてる人より、より新しいものを探してる人の方が好きだ』なんて言っている。その時、覚悟が、選択が出来ることって、きっと想像するより遥かに強くて眩しいものなのだ。

 

気持ちいい場所にとどまってみたり、承認欲求を満たすためになにかやってみたり。それでも自分の芯だけは見失わず、最後にはその場所に帰ってくる。そういう人間らしさと、格別な強さを兼ね備えた人。陸斗くんの勉強を羨ましがった後に「俺もがんばろ」っていう吏玖くんが、適当となまくらを混ぜ合わせたようなインスタライブでも現役の子をバカにしなかった吏玖くんが、そういう人間らしさの中でも垣間覗く「わたしたちが好きになった吏玖くん」が諦められず、断ち切れずにここまで来た。

 

 

かっこいいなぁと、心から思うのだ。

 

 

2月にくれた言葉は正直わたしにとっては不十分で、ずっとこのまま亡霊を続けるんだろうと思っていた。でも今回、吏玖くんが紡いでくれた言葉たちは、お別れの言葉に充分に足るものだったと思う。ずっとこの状態が続いていくのだと思っていたけど、それはとても地獄だと思っていたけれど、これはきっと過渡期だったのだ。

新しい浅倉吏玖がはじまる前に存在した、幻の、私たちしか知らない、一瞬の夢のようなもの。

 

事務所を辞め、インスタという過渡期を経た吏玖くんは、ようやく区切りとして新しい道へと進む。

 

 

 

インスタにいた吏玖くんの中にはどこか、『関西ジャニーズJr.の浅倉吏玖』が残っていたように思う。昔の吏玖くんから新しい夢に進む吏玖くんが、きっと混ざり合っていた。

 

そんな吏玖くんは、インスタをやめる。だからきっと、Jr.の吏玖くんとの、これが最後のお別れなのだ。私たちもようやく、本物の辞めジュ担になる。吏玖くんは私の中で、元担に、そして過去になる。

 

 

 

 

 

今なら言える。「本当に本当に幸せでした、吏玖くんも幸せに新しい道を進んでね」と。

 

新しい道を進んでくれることが、どれだけ眩しいことか今なら分かるから。

 

きっと今日が、4/30日が浅倉担としての最後の日。吏玖くんにもらった真っ直ぐな文と一緒に、わたしはここで区切りをつけることができる。

 

元旦には混乱と怒りとパニックで向き合えなかった、「自担がいなくなって寂しい」という感情にわたしもようやく向き合うことができた。

寂しい、寂しくてたまらない。でも、それ以上に、好きになった人の好きになった部分がまた見られるということが、この上なく本当に嬉しい。

 

 

元旦にこのメッセージをくれたら?もし吏玖くんがSNSを辞めなかったら?そもそもまだジャニーズにいたら?沢山のたらればが私の中を駆け巡るけれど、現実は変わらない。それが全てだ。それでも、わたしは今吏玖くんのことを心から応援できる。それならそれで、全てが完璧じゃないかと思うのだ。

 

 

事務所時代に、仲良くなって一緒に騒いだ大好きな浅倉担のみんな。アカウントを消した子も変えた子も何人もいるけれど、みんなのアイコンを覚えている。ぜんぶがぜんぶ、共感の塊だった。同担がいなかったらそもそも早い段階で担降りしていたかもしれない。あの頃の時間はわたしにとって永遠で、雑誌や保存した島動画を見るたびに、いつだってあの頃に戻ることが出来る。

 

きっとこのまま推し続ける子も、今日担降りする子も、まだ決められない子もたくさんいるんだろう。わたしもなんとなく応援するつもりでいるけど、明日になったらもっと好きな子を見つけて担降りしているかもしれない。先のことなんて誰にもわからない。わからないけれど、先のことを、次の自分のヲタクスタンスを決められるって、すごく奇跡的なことだと思える。何度でも思う、そう、私たちは自担の言葉と一緒に次のステップに進めることができるのだ。

 

 

わたしが推しても推さなくても、吏玖くんの人生は、ストーリーはこれからも続いていく。あの頃にたくさん抱えていた、なんども実感して見つけていた「自担は他にない何かを持っていて、絶対にスターになれる資質がある」という宙ぶらりんのまま放っておかれていた確信たちが、きっとようやく日の目を見る。違う形かもしれないけれど、答え合わせができる。

 

吏玖くんは世界のトップになるかもしれないし、美容師としての夢を叶えるかもしれないし、もしかしたらそのどれでもない、思いもしない新しい人生を歩むかもしれない。明日彼に人生の出会いがあって、まったく別の方向に歩いていくのかもしれない。それでいい。

彼は停滞を衰退と認識して、自ら新しい一歩を踏み出せる人だ。だからきっと、進んだ道は、今より先のところにある。たまに後退するのかもしれない。でも彼が自分の芯を見失わない限りは、それは人間らしさという彼の最大の魅力だと思う。吏玖くんは真っ直ぐに、自分勝手を貫いてくれたらそれでいい。流されずに貫いていてくれるなら、それでいいんだ。

 

 

 

2021年、明けましておめでとう。わたしはもうJr.時代を過去として、円盤も見られるし、自分の意思と気分であの頃に戻れるし、退所の混乱で見るのを辞めてしまった録画したままのカウコンだって見返すことができる。退所の地獄は、自担が新しい道に進んだという新しい記憶に塗り替えられてくれたから。悲しいし寂しいし悔しいけれど、理想の形とは違ったけれど、わたしは今の吏玖くんが嫌いじゃない。彼を取り巻く環境は大きく変わってしまったけれど、本人が本人の意思で大好きな吏玖くんのままでいてくれる。

 

たくさんの辞めジュがいる中で、きっとこれだけ丁寧な文を自担から貰えた私たちは恵まれている。今の自担を好きだと叫ぶことができるから。

 

 

吏玖くん、アイドルとしてジャニーズに入ってくれて本当にありがとう。吏玖くんに出会えて本当によかった。わたしは貴方が最高のアイドルだと信じて疑うことができない。光り輝く眩しい何かがあると、本当に思うの。吏玖くんのブレたりする人間らしさを含めて、真っ直ぐに自分を貫き通す貴方のことを愛しています。

 

ほんの1割でも、この、キャー!かっこいい!だけでは少しも収まりきらない、大きな尊敬と愛と大好きと感謝が伝わればいいな。

 

 

吏玖くんはストーリーに「次会うときは笑って会えますように!」と書いてた。うん、もう大丈夫。

 

わたしは今、吏玖くんに会えたら、心から笑える。